「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

恥、かきかき…今日も

何日か前に、「Perfect Scars Book」のことを書きました。今でこそ、こういう写真を「綺麗だな」なんて余裕で見ていますが、何を隠そう、手術直後は自分の手術跡は見ることができませんでした。

家族の手術の傷跡さえ、何だか痛そうで見ることも出来なかった位だから、ましてや自分の傷跡なんて生々しくて正視できるものじゃあありません。

それが忘れもしない、手術後一ヶ月の検診の時(他の手術はわかりせんが、抜糸はありませんでした。縫った糸は溶けてしまうということでした。)、主治医に「じゃあ、手術のところ見ましょう。問題ないですね。うーん、縫ったところは丁寧に洗わないとだめですよ。」「それどころじゃないんです、先生。手術の跡を見ることができなくて…」と、悲哀に満ちた蚊の鳴くような声の私。

「皆、そう言うんだよね。でも、ほら。縫い目に垢がたまってるよ。これが、固くなって取れなくなっちゃう人もいるから、気をつけて。」と、淡々。

ああー!垢?!きゃー!傷跡が怖い、だの言ってる場合じゃありません。この主治医の一言のおかげで、悲劇が喜劇に大転換してしまいました。

それからは、一生懸命に傷跡を磨くことに精を出して、いつの間にか気がついたら、傷を見るのも平気どころか、鏡に映して「これもまんざらでもない。」と感じるまでにいたりました。人は、変化する前は恐いけど、変ったら変ったで慣れるものだということも習いました。

人間生きてれば、垢もたまるし、恥もかきます。今思い出しても、恥ずかしい…