「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

犬だってパンのみに生きるにあらず

多中心型リンパ腫の琉球犬。「多中心型というのは、わかりにくい。」と犬の主治医。「人間でいえば、『多発性』ということでしょうか?」

本人(犬)も私も、前回の記事を書いた頃が一番ぐったりしていたかもしれません。「告知」から早いもので一ヶ月半が過ぎようとしていますが、今の方が元気そうに思えます。食欲はあります。食べても食べても筋肉が落ちて痩せてくるので、一日5食ほど食べさせています。「薬にお金をかけず、食べ物にお金をかけよう」の方針で、犬用ではありますが、まずはおススメにしたがって生の馬肉ミンチ。ちょっと贅沢すぎたので本人も飽きたのか、この頃では、マグロのあら(血合い)ーでも、今日なんてスーパーマーケットで「トルコ産地中海の本マグロ」!たっぷり入って250円。それからお気に入りは鶏の砂肝や爪(もみじ)など、少し歯ごたえのあるもの。特にもみじはコラーゲンたっぷりだし、「噛む」ことはカラダを維持していく上での大切な行為。ミンチじゃあ物足りなかったのかもしれません。

「小動物がんセンター」の獣医先生が「食べられなくなったら、2週間しかもちません。」と言っていたので、ともかく「食べて、食べて」とそればかりが気になっていました。食べれば安心。今日も、食べてくれた、と。ああ、良かった。今日も食べてる…

「告知」された後の11月初め、彼を可愛がってくれた友人や知人に電話して、「こういうことになりました。」と話したら、近くの人はもちろん遠方の人(わざわざ、軽井沢や大阪から)も「会いに行きたい」とお見舞いに来てくれました。

とても不思議なことなのですが、大好きな方々に会って話しかけてもらうと、彼もその日は元気になるのです。もちろん、私も病気の話しを聞いてもらったり、彼の話しをすると気持ちが落ち着いてくる、ということもあるので、最初はこちらの気分が影響しているのかなあ、とも思っていましたが。

体力を消耗させちゃいけないから、と控えていたドライブ(といっても、近所の買物につき合わせるだけ)もやってみると、みるみる元気を取り戻す。少しだるそうにして寝ているなあ、と思っても、「散歩行こう!」と声をかけると嬉しそうに跳ね起きて、生き生きする。

今日は、久しぶりに大好きな目の前の山の中まで行きました。途中、ゆるい上り坂もあるけど、林の中を五感を使って歩くと、彼も私も体内の気がめぐるように感じます。

犬にとっての「おしっこ」は排泄だけじゃなくて、「マーキング」という重大かつプライドのかかった行動です。特に雄犬は。歩きながら、クンクン、と草や木の根もとや柵や岩の臭いを確かめて、「ここには昨日、チビ犬がおしっこしているぞ!」と、後ろ足をちび犬の背よりももっと高ーくあげてマーキング。少し行って、またマーキング。

今日の彼の力強いマーキングを見ていて、人間でいったら何だろう?例えば、身だしなみを整えたり、おしゃれをしたり、お化粧すること?病気でカラダが弱っていても、自分をプレゼンテーションする気概を持つこと?

犬だって、食べ物と排泄だけで生きているんじゃない。彼の病気と進行のことばかりが気になって、そんなことをすっかり忘れていたことを思い知らされました。

でも、確かに病状は進んでいます。昨日からは、目が充血していることに気がつきました。チェリーアイというのだそうです。マッサージしてあげると、綺麗な赤い瞳が光ります。

明日は、主治医に目薬をお願いしなくちゃ。