「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

琉球犬と病気

いつの間に神無月。

一週間前に、わが家の琉球犬(9月に6才になったばかり。)が「悪性リンパ腫」と診断されました。
夏から咳が出ていて、心臓や肺の音には異常なし。感染症か、アレルギー体質か?と、全く私の咳の診断をトレースするような経緯をたどった結果、喉にさわってわかるような丸いシコリを三つも発見。あわてて、獣医のところに行った結果、両膝の裏、両鼠蹊部にも、とリンパ節が腫れていることを指摘され、「悪性リンパ腫の可能性が高い」と言われました。
咳は、喉の腫れで気管が圧迫されていたせいでした。

獣医の先生の言葉に、自分が診断された以上に、動揺してしまい、涙がとまりませんでした。

「どういう治療ができるんですか?」

「リンパ腫だったら、手術は不可能。抗がん剤です。注射器で血管からゆっくりと薬を入れてゆきます。10分はかかりませんが、その間カラダを動かないようにすることが出来るか、ということがまず一つ。それを一週間に一度づつ何回か続けます。いったんこれで直ったように見えても、犬の場合完治ということは難しくて、再発も多いです。」

抗がん剤って、副作用も人間と同じと考えていいんでしょうか?それは、延命治療ということと理解していいんですか?」

「まあ、そうですね。」

「早く見つかったら、何か他に手だてはあったのでしょうか?」

「延命する期間は長くなりますが。早く見つかっても、同じと言えば、同じと言えるでしょう。治療法は変りません。」

目の前にいる無垢な犬を見ると、お腹の中が掻きまわされるような気分になりました。

「苦しい思いだけは、させたくないんです。検査も治療も大変なだけで、本人にとっては虐待でしかないですよね。私も去年抗がん剤をやって、あの副作用をこの犬も感じるかと思うとやりきれません。」と伝えると、先生は理解してくれました。

「これも副作用はもちろんありますが、当面ステロイド剤を出しましょう。抗炎症作用があります。一週間様子をみますか?」

泣きながら、家人に電話。妹にも、友人にも電話。近所の犬好きの方にも報告。会う人皆に、「犬が大変なことに」と。たぶん、家族が同じような立場になったら、こんなにべらべら他の人に喋ることはないでしょう。でも、誰かに言わなくちゃ、耐えられないように感じました。

獣医の先生には、感謝しています。もし、あの時パニックになった状態で、「即、検査しましょう!検査して、悪性だったら、『いい薬』があるから、すぐに治療を始めましょう!そうしなかったら、どうなるかわかりませんよ。」とでも言われてたら、何も考えずに「お願いします。この子を助けてください。」と叫んでいたかもしれません。

「ペットは家族」と簡単に言うけど、やっぱり、人間と犬は違う。自分の病気のことは理屈ではわからなくても本能で受入れて、静かに過ごしている犬を見ると、「犬の命」は彼のものだということを忘れてはいけない、と今一生懸命、自分に言い聞かせています。

動物の最先端医療!ペットを守るためならお金に糸目はつけない!なんて、やっぱり嘘っぱちで、偽善的。治療が受けられない人もいるのに、人間の病人に失礼です。

遠からず、6年も一緒に暮らしてきた愛しい生き物を失ってしまうことへの恐怖はあるけど、それは私の勝手な片思いでしょう。

「診断が間違っていてほしい」と思う。でも、今日の散歩で「タールのような便」が出ました。消化器にも転移があるかもしれません。

私のような素人が判断して心配してても仕方がない、と割り切り、来週専門の獣医に相談することを決めました。