「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

昨日の病院

腫瘍マーカーとCTの検査結果を聞きに、昨日は病院に行って来ました。やっぱり、行く前は怖い。「何でもない、いや、何でもなくないかもしれない。」と思うと、前日から余計咳が出て寝苦しい一晩でした。もっとも、前々日から不安定なお天気で、雹が降ったり、茨城では竜巻が起こるし、直ぐ近くに雷は落ちるし、空が荒れると一緒にカラダも荒れてます。

午後の診察だったので、午前中はいつもより気合いを入れて、家の掃除と洗濯。周りを浄めることから。これで何があっても慌てない、あわてない、と心を鎮めて、いざ病院。

20分前に着いて受付をしたら、あらー!何を勘違いしたのか予約は一時間前でした。ここから、もう調子が狂っています。「先生は別のお仕事に行かれました。一時間以上待っていただきますが‥」と気の毒そうにおっしゃる受付の方。「いえいえ、時間を間違えたのは私ですから。」

さっさか、いつものカフェへ。吹き抜けのカフェは山が見えて気持ちがいい。入院の患者さんも、外来の患者さんも、お見舞いの人も、お医者も、医学生も皆が一緒に利用しています。

そこに座ると、去年の治療中の時と今との気持ちが違うものだな、と感じ入りました。同じ病気の患者さんらしい人を見る目も、まるで遠いところから見るような気持ちになってしまって、たったの半年位前の自分だったら、その人の呼吸の苦しさや体温まで一緒に分かち合っているようだったのに。病気の人より元気な医学生の方に目がいって「今年入学したのかしら?」などということの方に心が動く。

今だって現役の「がん患者」なのに、いつの間にか自然に身体が回復してくるのと同じ速度で、気持ちも「病人」の側から「健康」の側にシフトしていたことが不思議であるのと同時に、浅ましいものだと恥ずかしくなりました。

妊娠していた時には、世の中にこんなに妊婦って多いんだ、と感動し、子どもを育てている時には、息子と同じ年代の子どもばかりに注意が向いたことを思い出します。

「いや、お待たせしました。取材があって長引いちゃって。」
と主治医がにこにこと出迎えてくれました。顔を見てちょっと安心。

「CTの結果は異常なしです。肺にも乳房も胸の骨も異常ありません。」と言われると返って何でもないのにお騒がせしたようで、若干罪悪感が沸いてきます。

「大学時代の友人が夏に乳がんの手術をして、年末に肺に転位が見つかって、翌年の3月には亡くなったということがあったので心配したんです。」とつい言い訳のようなことを。

「ガンの種類によるんだよね。そういうこともあるんよ(主治医は広島弁です)。ただ、あなたの場合も腫瘍マーカーの数値が高かったです。胃がんか腸がんの可能性もあるけど。」

「まずは、転位じゃなかったので、ほっとしました。そちらも心配していても仕方がないので、調べてください。」
腫瘍マーカーは、何でもないのに高くなることもあるしね。じゃあ、もう一回一ヶ月後に血液検査、それから検便をしましょうか。大げさな検査じゃなく、ね。」

友人の一件から、今回何かあった時にはあと数ヶ月、と一応見積もりを立てていましたので、取りあえずは年単位でモノが考えられる、と気が大きくなりました。それにしても、この咳。何とか直さなくちゃ。