「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

バレンタインデー、病院で

2月14日のバレンタインデー。乳腺腫瘍科の主治医との約束でした。前回は10月25日だったからほぼ四ヶ月ぶりです。

病院に行く、と思っただけで朝から何だかローな気分。受付の臭いを思い出しては、ちょっと吐き気がするような‥。これだ、これだ、抗がん剤治療の時に病院に足を踏み入れるだけで吐き気がする人がいる、とお医者も言ってました。今だに、そうなんだから、後遺症?といえるでしょうか?

待ち時間、廊下のソファで一人で腰掛けている私と私の母との間くらいの年齢の品の良いご婦人がいました。さっきから病院のリモートの呼び出しが、ビービー鳴っています。
「呼び出しが鳴ってますよ。」と声をかけると、はっと我に帰った顔で、「あ、気がつきませんでした。ありがとうございます。」とにっこりと優しくご挨拶されました。
「今ね、先生に緊急入院だって言われたんです。えー、服もこれで、準備も‥なんて言ったら、『それどころじゃないでしょう!』って。どうしたら、いいかしらって色々、家のことや考えてしまっていて。本当にありがとうございます。」
とまた、にっこり。

何の病気なのかわかりませんが、私の方が動揺してしまって、涙ぐみそうになってしまいました。落ち着いて見えるご婦人をそっと抱きしめてあげたいような衝動にかられましたが、押しとどめて「どうぞ、お大事になさってくださいね。」と言うのが精一杯でした。

私なんか、緊急入院を言い渡されたこともなく、今だって「検査は一年に一度位でいいでしょ。再発したら、その時ベストをつくそう。半年後でも半年前でも再発がわかったところで、余命は変らないんだよ。心配する期間が長くない方がいいでしょ。」って、主治医からみたら「取りあえずは、一丁上がり!」って分類に入れられたのが、淋しいようなショックなような心持ちがしているだけで。

そのご婦人が、早い処置が功を奏して、今頃は元気でいてくださるといいな、と思います。