「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

トルコの井戸端会議

4月8日に成田を出発。12時間ノンストップでイスタンブールに到着。雨。

ホテルにチェックイン後、空港に迎えに来てくれた友人夫妻と近くの老舗レストラン、Haci Baba(ハジババ)で食事。半年ぶりの本格的トルコ料理に舌鼓を打ちながら、話題は、震災のこと原発のこと、そして自然に私の病気のことに移って行きました。

ソニア(フランス人妻)「本当に、乳がんが私の周りでも多いわよ。トルコもフランスも。」
私「そうなのね。検査してる?」
ソニア「毎年、マンモしてる。でも、あなたも去年見つからなかったみたいに、あてにならないこともあるしね。副作用とかはないの?」
私「薬を一回抜かしてもらったの。つわりみたいな副作用はなかったんだけど。結構、前回しんどかったし。」
ソニア「薬一回するより、今回こうしてあなたがトルコに来たのは、セラピーよ。とても良かったわよ。」

ここで、ラク(トルコのお酒)に酔っぱらった夫のイルケル(トルコ人夫)が口をはさむ。
抗がん剤の副作用って、つわりみたいだって?そりゃあ、妊娠したような気がして、若返るじゃあないか」
私たち、女三人からブーイング。

私「でも、髪の毛はほとんど抜けたわよ。」
ソニアとイルケル「わかんない!それ、ウィッグなの?日本人て皆黒い髪してるのねえ。」
私、にんまり。「ウィッグわからない?ふふ。まつげが少なくなって、ドライアイにはなるし、眉毛もよけい描かなくちゃいけないし。大変‥」
ソニアと一緒に行ったアーティストのシズリンは、興味津々です。「ということは、体中の毛がなくなるってこと?」
「そうよ。」
ソニアは大喜びです。声を大にして、「まあ!手間がはぶけて、いいわねえ。」と言った後、小声で「特に、この国みたいな宗教的な理由のあるところでは。」
シズリン「?え」
私「あの、一人男性が混ざっているんですけどねえ。」
イルケルは、「あーあ、こりゃあ、トルコ風呂の井戸端会議(Hamam'da dedikodu)だあ。」と、大笑いして、ラクをグイっとあけました。

昔から、トルコの銭湯では、女性が日長一日世間話をしながら、リラックスして過ごす。どこの国でも女三人よれば、姦しいのでした。

イスタンブールは、ただ今「チューリップ祭り」中。トルコはこれでお花見の宴会です。ここはチューリップの原産地です。