「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

三回目治療と大震災

3月10日に三回目の治療を難なく終えた翌日が、大地震でした。
治療の翌日はいつも比較的元気なので、午前中に急ぎの仕事を終わらせて、「少しお昼寝‥」と横になっていたら、みしみしと不気味な波動が押し寄せてきました。
いつもはのんきに構えている、同居動物たちも、さすがに慌てて駆け寄って来たので、半分パジャマのような格好のまま、犬にリードをつけて、目の前の道路に飛び出しました。ご近所も何人か外で様子見。その時には、東北地方各地ではあんなに大きな津波が迫っているなんて、想像もできませんでした。

三回目の治療は、「回を重ねると、薬がカラダに溜まってくるせいでしょうか。自覚症状も変っていく人もいますよ。」という看護士さんの言葉通り、過去二回よりもガツンときたような気がします。

テレビから繰り返される津波地震の被害の映像に心を痛めながら、「今は人に迷惑をかけないよう、省エネモードでいることが一番の貢献」と自分に言い聞かせて、どこにも出かけずにじっと横になる毎日でした。

治療してからの数日間は、内蔵部分や手足などカラダの末端から、まるで細胞がめらめらとめくれ上がってくるような感覚が始まりそれが全身に広がります。それが一日に何度か。この感覚で、明け方目が覚めたりすることもあります。「痛い」「暑い」「寒い」「かゆい」「だるい」「鳥肌が立つ」など、今までに経験したカラダの感覚をはるかに越えた、言葉にならない「嫌ーな」感じ。辛いです。

これは何かに似ていない?と思っていたら、わかりました。そうそう、あれあれ。こどもの頃、テレビで観た満月に「狼男」が変身する場面。苦しそうに「うー!!」って唸りながら両手で頭を抱えていると、そのうち頭から毛むくじゃらのオオカミの耳が出て来て、腕が肉球になっていく。あの感じ。そうか、私も「変身モード」。全身の細胞が入れ代わっているんだわ。

五感が鋭くなるこの「変身モード」期間は、きっと潮の満干や月齢にもカラダが反応しているはずです、たぶん。猫が「外に出たいよー」とそわそわと鳴き叫ぶ真夜中の時間と、私の「変身」時間が妙に一致したりしました。

その上、嗅覚はハイパー。化学的な臭い、たとえば食品のフレーバー、化粧品や洗剤の香料、芳香剤などなどは極端に鼻につくようになります。天然の香りには癒させるのに。

友だちが拾って穴をあけてくれた「むくろじ(無患子)」の実で数珠を作ってみた。木の名前の漢字にある「患」って、中国の囚人が悪い気を練って出来た妖怪だって。それが「患い(わずらい)」。