「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

「酔いがさめたら、うちへ帰ろう」

病気がわかったのが12月20日なので、クリスマスも年末年始もあったもんじゃありませんでした。の一方で、半ば虚礼、義理化していた(それも、誰に頼まれた訳でもなく、自分で勝手に作っていた)年中行事が一掃された爽やかさもありました。

大切なものって、本当にちょっぴりしかなかったんだ。会いたい人も、実はそんなにいっぱいいる訳でもないんだなあ、とわかった瞬間。

病名を知らせるのを一番ためらわせたのは、やはり両親。乳がん経験者の妹から伝えてもらおうかとも思いましたが、自分で電話。母の第一声は"怒り"。「あなたたち!二人して、どういうこと!」まあ、落ち込まれるよりは助かります。その後は、両親揃って「早く切っちゃいなさい。切っちゃいなさい。」を連呼。
「落ち着いてね。まだ、転移があるかどうかもわからないしね。」

23日のクリスマスイブのイブには、さっそくに「顔が見たい」と言うので、銀座で一緒に映画を観て食事会を企画。華やかなイブイブなのに、選んだ映画は夫が制作に協力した「酔いがさめたら、うちへ帰ろう」。大好きな西原理恵子の話だし、主演の永作博美浅野忠信も、大変よろしい。

でも、よくよく考えると今の私が観る映画じゃないだろう?かなあ。え?自覚なさ過ぎ?

西原ワールドは、いつも、悲しくて、おかしくて、切ないのに、温かい。

食事は、妹夫妻、夫も参加して6人で、絵空事のようににぎわう表参道のポルトガル料理店で、私を「励ます会」だって。
ポルトガルの発砲ワイン。爽やかでした。