「日本のおっぱい」乳がんダイアリー

2011年乳がんになりました。

時給にしたら?申し訳ない…

今日、半年ぶりに診察をしてもらいに行って来ました。朝改めて予約票を見たら、血液検査もエコーも他の何の検査も予定に入っていなかった。あれ?今日は一体全体、何のために行くんだっけ?もうすっかり、前回のことを忘れている?

朝一番の時間だったので、いつもは何時間も待たされることもあるのに、すんなりと診察室に呼ばれました。
「おはようございます。」
「あれ?今日は朝が早いね。いつも違う時間なので誰かと思った。学生が一緒なので、よろしく。どうですか?変ったことはない?腫瘍マーカーも正常になってるし。」と主治医の笑顔。
腫瘍マーカー?そうだ、そうだ、去年の8月に血液検査したときのことね。)
「はい、咳が心配で伺っていたんでした。咳は完全に止まりました。背中をほぐしたら治りました。」
「え?」
「いえ、あの、お陰様で治りました。」
「そりゃ、よかった。」
「あ、今日は乳がんが見つかるちょうど一年前に自治体の乳がん検診で『異常なし』と言われた時のマンモグラフィーのフィルムを見ていただきたくて持ってきました。」
「ほお、どれどれ見せて。うーん、乳がんになってからの目で見れば、怪しい部分はあるんだけどね。この写真を先入観なしに見るとどう判断するか、というのは、難しいところだね。」
「ちょうど、昨日の朝のNHKの番組で、集団検診ではかなりの割合で『本当はがんだったのに、異常なし』のケースがある、反対に『がんの疑いがある』と言われた人の3%しか実際にはがんじゃなかったって言ってました。」
「そうなんだよね。集団検診だけではわからないこともあるんだよね。でも、後でがんが発見されれば、『見落とし』ということになってしまう。かといって、『怪しいものは全て疑う』訳にもいかない…マンモグラフィーの二枚の写真じゃ十分じゃない、四枚撮影したり、エコーも導入するように、私たちは今働きかけているところです。」
「一年前の様子がわかると、急に大きくなった癌かどうか少しは病気の性質が特定できるかと思ったんですけど。」
「うーん、それもどうかね。まあ、なっちゃったんだから、余り以前のことは見なくてもいいんじゃないかと思いますね。」

ああ、そういう考え方もありますね。なっちゃっちゃし、切っちゃったんだから、今さらですね。

「これファイルしておいていいですか?」

あ、良かった。一応、私のカルテの中には記録として残してもらえるんですね。わざわざ保健所にお願いして取り寄せた画像だったので、なぜかちょっと嬉しかったです。

認めたくはなかったけど、心のどこかで、一年前の検診は『見落とし』だったんじゃないか、と密かな疑い(というか、恨み?に近い)の感情があったんだと思います。でも今日、主治医と話して、胸のつかえが取れたみたいで、スッキリしました。

30分程こんな話しをして、手術の後を診察してもらって、8月の検査の予約を入れてもらって、お会計は210円。目を疑ってしまう値段です。診療報酬をあげるべき、だという議論ももっともだと思えます。

「良いことが書いてあるんだろうけど、英語じゃあ、年寄りには読めないねえ」と老夫婦がしげしげと眺めていた病院のポスター。